男性更年期障害について

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男性更年期障害とは

男性更年期障害とは、ホルモンバランスが崩れることにより、身体や心にさまざまな症状をきたすものです。主に性ホルモンの低下により引き起こされ、病気でもないのに身体の不調や精神不安定、性機能障害などの症状が現れてきます。
 
女性の場合は閉経など身体的な変化が起こって更年期障害が自覚されることが多く、認知しやすい傾向です。しかし男性の場合は目に見える変化がないため、まわりからも理解が得られにくく、悩む方も多くいらっしゃいます。 

症状のみを見るとうつ病と間違われやすく、なかなか治療をしても改善がみられないことが多くあります。

女性の更年期障害との違い

女性の更年期障害との違いは主に原因や時期、期間にあります。男性更年期障害は男性ホルモンの減少、女性の更年期障害は女性ホルモンの減少が原因です。

 

時期として、女性は閉経の前後に起こりやすく年齢的には50歳前後とされており、男性は40歳代以降に男性ホルモンの減少が起こり始めるため、症状が徐々に現れてきます。女性は閉経後5年ほどで身体が順応してきて症状が落ち着いてきますが、男性の場合はホルモンが下降し続けるため、終わりがありません。

 

そのため辛い症状に気が付いたら、早めに受診をして適切な治療を専門医と相談しましょう。

男性更年期障害の症状

男性更年期障害の主な症状は身体症状、精神症状、性機能症状が挙げられます。

 

身体症状としては、疲れやすいまたは体力の持続力がなくなってきた、発汗やほてり、メタボリックシンドローム、頻尿などが挙げられます。全身的に症状がいたるところで起きてくるため、原因がわかりにくいのが特徴でしょう。精神症状はイライラすることが多くなる、気分が極端に落ち込む、常に不安感がある、抑うつ傾向、興味や意欲の減退など自分の心がコントロールできない状態になります。性機能症状は勃起不全、性欲の低下がみられ性活動が低下してくることが特徴です。

 

これらの症状はうつ病と間違われやすいため、うつ病の治療をしても改善しない場合は男性更年期障害を疑います。

男性更年期障害になりやすい方の特徴

男性更年期障害になりやすい方の特徴としては、生活習慣が乱れホルモンバランスが崩れやすい方(特に40歳代以降の年齢の方)です。またストレスがたまりやすく社会的な環境がホルモンバランスの乱れにつながる場合がほとんどでしょう。

 

そもそも、男性ホルモン(テストステロン)の減少の原因は加齢とストレスです。40歳代の男性は社会的立場でも中間管理職などストレスを受けやすい年代でもあり、多忙な生活をしていると余計に症状に気づきにくく、発見が遅れてしまうことがあります。

 

最近では定年退職後の男性が増加傾向にあり、環境の変化が身体的、精神的にもストレスが大きく関与し、男性更年期障害の症状がみられるのだと考えられます。セルフチェックを行い、早期発見、早期治療することで穏やかな生活が可能です。

男性更年期障害の診断方法

男性更年期障害の診断方法は、主に問診と検査によって行われます。
 
問診では身体症状、精神症状、性機能障害に当てはまる項目を本人より聴取して男性更年期障害に該当するかどうかを判断します。この時にうつ病と間違わないように、しっかりと細かい症状まで見落とさないようにしましょう。
 
検査では血液検査を行い、男性ホルモンの量を調べます。基準値よりも低ければ、ホルモンの減少が関与していることが明らかです。またほかの疾患を除外するために、糖尿病や高脂血症、赤血球量、肝機能、腎機能、前立腺腫瘍マーカー(PSA)などの項目も検査します。 

問診で聴取した内容と血液検査のデータを基に総合的な判断をすることで、男性更年期障害の診断が可能です。そのため、聞かれたこと以外にも思い当たることは医師に伝えましょう。

男性更年期障害のセルフチェック

男性更年期障害のセルフチェックは、早期発見のためにとても大切です。以下の項目に3つ以上当てはまる、もしくは「1」と「7」にチェックが付いた場合は受診をおすすめします。

  • 性欲がなくなってきた
  • 体力がなく持続できない
  • 元気が出ない
  • 楽しみが少なくなった
  • 悲しい感情になる又は怒りっぽくなる
  • 作業能力が低下してきた
  • 身長が低くなった
  • 運動能力の低下がある
  • 勃起力が弱くなる
  • 夕食後のうたた寝が増えた

男性ホルモンの維持は生活の質へも影響してくるため、受診を検討するときに何科の病院へ受診しようか迷う方は、泌尿器科へ受診することをおすすめします。

男性更年期障害の治療法

男性更年期障害は適切な治療を受ければ、症状が改善してきます。男性更年期障害と診断された場合の治療法は主に生活習慣の改善と薬物療法となり、内服薬や注射が選ばれることが多くあります。いずれも保険適用の薬があるため、費用が高価になることは少ないでしょう。
 
まずは生活習慣の改善を図ります。栄養バランスが整った食事はもちろんですが、プラスαとして精神安定に関わるとされるセロトニンをつくるトリプトファンを多く含むバナナがおすすめです。 

それでも症状が改善しなければ、内服薬や注射となります。補中益気湯(ホチュウエッキトウ)などの漢方薬に加え、性機能低下では勃起不全治療薬、うつや不安症状には抗うつ薬や抗不安薬などの対症療法となります。注射薬で現在保険適応されているものは、テストステロン製剤の筋肉注射のみです。

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