皮膚科

湿疹

湿疹は、皮膚の表面(表層)に起こる炎症の総称です。別名、皮膚炎ともいわれており、かゆみに加えて発赤や細かいブツブツしたものや水疱が混じり合っています。

 

原因としては、接触する物質にアレルギー反応を起こし、炎症反応が出てくるもの(接触性皮膚炎)や食べ物などが体に合わず、アレルギー反応を起こして炎症反応が出てくるもの(アレルギー性皮膚炎)などが代表的です。

 

対処方法としては原因と考えられる物質を避けることが第一です。また痒みがあり掻いてしまうと、とびひに進展してしまうこともあるため、掻かないようにしましょう。どうしても我慢できないほどのときには抗炎症作用のある軟こうや内服薬が有効です。日頃から保湿をするなどの予防も行いましょう。

ニキビ(尋常症ざ瘡)

ニキビは発症して経過をたどるうちに、白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビと変わっていきます。主な原因としては皮脂の過剰分泌と毛穴のつまりです。白ニキビ、黒ニキビは生活の乱れ、睡眠不足、ストレス、ホルモンバランスの乱れなど様々な要因が重なって生じます。
白ニキビや黒ニキビができたところに、アクネ菌が感染し、炎症症状(発赤や膿の貯留など)が起こった状態が赤ニキビとなります。赤ニキビは個数により、重症度が決められています。 

治療は基本的に毛穴のつまりを解消する軟こうの使用です。赤ニキビになると炎症が主体的な原因となるため、抗生物質入りの軟膏を使用する場合が多く、重症の場合には内服薬を併用して使用します。

乾燥肌

乾燥肌は皮膚内の水分量が減少し、表皮が乾燥することによって起こります。高齢者は体内の水分量が成人と比べて少ないため、乾燥肌になりやすい傾向です。また子どもは水分をたくさん含んでいるように見えても皮膚自体の厚さがないため、乾燥しやすい状態にあります。

 

普段からスキンケア(保湿)を心がける他にも以下の予防方法を実践してみましょう。

  • 38~39度のぬるま湯で入浴する
  • 体を洗うときには石鹸をしっかり泡立たせ、擦らずに手のひらでやさしく洗う
  • 入浴後にすぐ保湿を行う
  • 可能な限り刺激や摩擦の少ない衣類を着用する
  • 加湿器を利用して室内の湿度を適度に保つ

治療としては保湿剤を塗布し、かゆみがひどい場合にはかゆみ止めやステロイド剤を使用します。

蕁麻疹

蕁麻疹の原因は主にアレルギー性物質や物理的刺激です。主な原因は下記のようなものです。これ以外にも食物では特定の食べ物(サバやピーナッツなど)や要因によって出現するものがあるため、原因の特定は必ず病院を受診して特定するようにしましょう。

  • 合成着色料、保存料、酸化防止剤などの食品に入っている添加物
  • ハウスダスト、カビ、花粉の浮遊物
  • 温熱、冷感などの環境
  • 運動後の汗
  • 心理的ストレス

蕁麻疹を発症するとかゆみが出現します。治療は一般的には抗ヒスタミン剤の内服が中心となりますが、外用薬を併用することもあります。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎はアレルギー体質の方が皮膚に何かしらの刺激(こする、掻くなど)が加わることにより湿疹が出現するものです。湿疹は発赤を伴い、細かいブツブツが出現してかゆみを伴います。
 
症状の湿疹は左右対称に出現し、一般的には幼少期に出現しても成長していくにつれて次第に改善していくことが多いです。原因としては遺伝的な体質に加え、ハウスダストやダニ、食物アレルギーなどのアレルギー物質が引き金となり発症します。 

治療としてはステロイドの塗り薬が主に処方されていましたが、2020年に非ステロイド系の塗り薬も発売されるようになりました。必要に応じて医師が処方し、ヘパリン類似物質や尿素系、ワセリン系の保湿剤も併用して使用します。

アレルギー

アレルギーは金属アレルギーや食物アレルギー、花粉皮膚炎などさまざまな種類があります。かゆみや腫れなどの症状は皮膚や粘膜にアレルギー物質が付着することによるものです。特に食物アレルギーは気道や胃にアレルギー源が付着するため、気道が腫れて閉塞を起こしたり下痢や嘔吐などの消化器症状を起こしたりする場合があります。金属や花粉は付着した部分に炎症が起き、くしゃみや目の充血、なみだ、皮膚炎などを併発します。

 

アレルギー検査では血液検査やパッチテストが多く用いられます。パッチテストは腕やふとももの内側にアレルギー物質を故意的に付着させ、アレルギー反応が起こるかどうかを見る検査です。

口唇ヘルペス

口唇ヘルペスは唇に小さな水疱ができて赤くただれたり、じくじくしたりする湿疹ができます。疲れていたりストレスが蓄積したりしている場合や免疫機能が低下しているときに、水ぼうそうの原因ウイルスである単純ヘルペスウイルスが活動をし始めると発症します。単純ヘルペスウイルスが原因のため、抗ウイルス薬が含まれている内服薬と塗り薬が一般的な対処法です。1~2週間するとかさぶたになり治癒します。

 

再発を繰り返す方は再発抑制療法やあらかじめ処方されている内服薬を自分の判断で内服していく方法もあります。接触することで他人へ感染する可能性もあるため、注意が必要です。

帯状疱疹

帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスにより、左右どちらかの神経に沿って神経痛を伴う水疱ができるのが特徴です。多くの方は子どもの時期に感染し、水ぼうそうとして発症します。1週間程で症状は治ったかのように思われますが、原因のウイルスは体内にとどまった状態です。
普段は再発することは稀ですが、加齢や免疫力低下、疲労、紫外線などが原因で帯状疱疹として再発し、帯状疱疹の水泡に感染したことがない方が触れると、水ぼうそうを発症してしまいます。

 

1ヵ月以上症状が続く方も少なくありません。夜も眠れないほどの激しい疼痛が伴う方には鎮痛剤で対応します。発症しているときは免疫力が低下しているため、十分な栄養と睡眠をとりましょう。

むし刺され

虫刺されは、どのような虫に刺されたかにより症状が異なります。刺して人体に影響を与える虫は蚊、蜂、ダニ・ノミ、ムカデ、毛虫、アブ、ブヨなどです。刺された直後よりかゆみや腫れなどの症状が出ますが、中にはしばらくしてから症状が現れることもあります。

 

大人ではそこまで大きく腫れることはないものでも、子どもの場合は大きく赤く腫れる場合が多いです。蜂やムカデなどは激しい疼痛やアナフィラキシーショックなどを起こす可能性もあるため、すぐに病院受診をしましょう。

 

虫に刺された場合には比較的強いステロイド剤を短期的に塗り、炎症を抑えることができます。かゆみがあり、ひどく掻いてしまうと、とびひになって悪化したり跡が残ったりと治癒が遅くなります。

うおのめ

うおのめは何らかの圧が繰り返し、同一部位にかかると角質が厚くなり芯のようになってしまう病気です。一般的には足の裏にできてしまうため、歩行時に圧迫することで疼痛を伴います。

 

見た目はタコに似ており、ペンダコや座りタコなどのようなものが足の裏にできるのをイメージするとわかりやすいでしょう。ただしタコは角質が厚くなっているため痛覚が鈍くなっていることもあります。

 

治療としては根本的な原因である圧迫刺激の除去です。食い込んだ角質を除去するためにスピール膏などを貼付して柔らかくする方法などがあります。いぼウイルスが原因の場合には数が増えますが、通常は感染しません。

しもやけ

しもやけは冬など冷気で手や足先、耳たぶ、鼻などの細かい血管が通っている体の先端に起こりやすいです。体質や遺伝も関係しますが、昼夜の温度差が激しい時期や気温が5度前後の場合に起こりやすいとされています。

手や足が腫れたり、手足の指や手のひらに赤い発疹ができたり、手足を温めるとかゆみが出ます。乾燥がひどい場合には保湿のため、塗り薬を使用することもあります。

中には内科的な疾患を生じている場合もあるため、症状がひどいときには血液検査をする場合もあります。早めに治療することで症状を抑えることができるため、早めに医師に相談しましょう。

多汗症

多汗症はワキの下だけでなく、手のひらや足の裏から汗が異常に出てくる病気です。原因はいまだにはっきりとわかっていません。家族内でも同じような症状がみられることから遺伝的な要素があるのではないか、発汗を促す神経が人よりも興奮しやすいのではないかなどいわれています。

 

内服や漢方薬が保険適用です。副作用として喉の渇きや尿が出にくくなるなどの症状がみられる場合があります。緑内障や前立腺肥大症がある方は使用できません。他にもボトックス注射や外用薬として塗るタイプやシートタイプなども保険適用になっています。

男性型脱毛症(AGA)

男性型脱毛症はAGAと略さることもあります。成人男性の髪の毛が額の生え際または頭頂部より薄くなる状態です。早い方であれば20歳代より発症するとされており、男性ホルモンの影響や家族性遺伝が考えられます。AGAは男性ホルモンの働きを抑える薬を内服し、病状の悪化を抑えられます。男性ホルモンの働きを抑制する薬は自費診察となります。

医療機関にもよりますが、内服薬の値段は4000円台から9000円台まで幅広く発売されています。医師の指示に従い、適切な治療薬を内服しましょう。

水虫(白癬)

水虫は白癬菌というカビの一種が皮膚内に感染することにより、炎症を起こします。水疱や皮むけ、かゆみなどの不快症状を引き起こします。種類としては趾間型(足の指の間の皮むけ、ただれ、かゆみなど)、小水疱型(赤っぽい水疱やかゆみ)、角化型(かゆみはなく、特にかかとの角質部分が固くなり白い粉をふく)などです。

 

治療として菌の増殖を抑える塗り薬や内服薬を使用します。症状が治まっても勝手に中止はせず、医師の説明があった期間は必ず塗りましょう。途中で治療を中断すると症状が再度出てきてしまうことがあります。

お電話

Web予約

お問い合わせ